流れ星に4回目の願いを呟く時。

「なんで3回なの?」


 時として、子どもは面白いことを聞きたがる。しかし、偉そうにしている大人よりも、よっぽど柔軟で、そして、そのほとんどが的を得たコトを言っている気がする。


 どうして、流星に3回も願いごとを言わなければいけないのか。誰もが認める不可思議な迷信に違いない。


「うーん。どうしてだろう。」


 幼稚園に働き始めてから2年。子どもたちに流れ星の絵本を読むと、必ずと言って良いほど、この質問が飛び交う。


 誰かは「それくらい難しいことなんだよ。」と言い、また誰かは「速すぎて言えないよ。」と言う。


 それくらい難しいこと、言えないこと。それは、考えれば考えるほど切なくなる自分がいることに気がつく。


 そして、最早『切ない』を通り越して、何故そんなに難しいものを我々に見せるような仕組みになっているのか、『腹立たしい』感情もあった。




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