くちどけクラシック♪プリンアラモード
ボンヤリ……とした世界に目映い光と優しい笑顔……そしてそこには心地よい音が聞こえる。
「とても上手よ……。 小春ちゃんはいつも楽しくピアノと接してくれて先生嬉しいわ。」
道場ではいつもお祖父様に怒られてばかりだし、両親は共働きで私に優しい笑顔を向けてくれるのはピアノの先生だけだった。
そのせいもあったからか私はただ先生の笑顔が見たくてピアノを奏でる。
そこに……もう一人現れた男の子。
「小春ちゃん……今日もう一人ピアノをひいてくれるお友達が今日くるんだけどいいかしら…??」
それだけいうと……すぐ後ろの扉を叩く音に気付き招き入れた。
「よろしくね…。」
無言で入って来たスーツ姿の少年は先生の言葉にあわせてお辞儀をすると隣に並ぶピアノに走りより座った。
「よろしく」…とだしかけた私をしかとしていきなりピアノの鍵盤を奏ではじめた。