くちどけクラシック♪プリンアラモード



感じ悪い……!!それが…最初のその子の印象だったけど、少年が本当に弾いているのかというほどに素晴らしいソツがない音色は子供ながらに鳥肌モノな上手さだった。



「すごい………。上手だね!!」



その演奏を聞いているとムカつくのも忘れて気分がほだされてしまう。



そんな私の言葉に彼はうつ向きチラリとこちらを横目でみると歯切れのよい音で強く誘った。


「小春ちゃんも一緒にどうぞ…ですって…!!」



先生の言葉に最初は呆然としていたけど…思いっきり笑顔で頷いてそのまま自分もピアノにかけより後に続いて奏でる。


いつの間にかその子のペースで先生が亡くなる前までずっと一緒にピアノを伴奏した。


そーいえば……彼の名前一度も聞けなかったな。
名前なんか聞かなくてもピアノをひけば挨拶も気持ちも語りあえたからなー。









< 3 / 49 >

この作品をシェア

pagetop