私の小さな願い事
慶応 二年 秋

罪悪感

三条の制札が引き抜かれる事件があり

新選組が札の警護をすることに


依里の兄、家茂公が亡くなって
未だに

慶喜様は、征夷大将軍になることを

拒んでいる




原田の家に行ったとき

その話になった


「なりたくてなったというより
なってやった!にしたいんじゃないの?」



なんだそれ……



「恩を売りたいのよ」



依里は、子育てに頑張っている

体力をつけるため

原田と特訓したり、山崎と夜には屋根上を走る

バレないように、皆には原田の家に行かないように言ってある


俺は、外出ついでに時々よっている




近藤さんの発案で、江戸にいる近藤さんの友達、富沢さんに依里と優里を引き取れないか頼んだ

富沢さんは、子供を亡くしている


総司と同じくらいの子供好き

だから、快く引き受けてくれた

目が見えない日も、耳が聞こえない日も
時々ある
一人で江戸にやるわけにはいかず


富沢さんが迎えに来るまで

待つことになっている




『寒くなる前にこちらにくる』




そう文にあった


一生懸命に子を育てる依里を見ていると


どうにかしてやりたいと思う


依里が、笑わないから







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