私の小さな願い事
~依里~


一睡も出来ず

朝餉を作り、片付けをしようと思ったんだけど

目の前が真っ暗

もう、また?

とか思ったら、体が痛んだ

うまく息が出来ないことに気づいた


クラクラする













気がつけば



真っ白




この感じ… 前にも…













次に目が覚めると

心配して顔を覗く、桂さんがいた


「桃…無理しすぎたな
熱が下がるまで、大人しくな」

「…はい」


熱のせいか… クラクラするのは


「土方と文を交わした
これからは、昼間に男装していれば
屯所に入れてくれるそうだ」


どこまでも優しい桂さん…

どうして桂さんと歳三は、敵同士なの?

こんなにわかり合えているのに


「目を瞑りなさい
そばにいるから」


目を瞑ると、大坂城で優に看病された時の事を思い出した


「桂さん…」

「ん?どうした?」

「私… 怖いんです」

「なにが?」

「わからない」


わからないことが怖い
歳三の気持ちも、自分の気持ちも

偽物のような気がして


「ゆっくり答えを出すと良いさ
まずは、熱を下げないとね」


私には、真実を確かめる勇気もない


私は、臆病者






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