私の小さな願い事
~依里~






たったの二日だけど

総司の看病ができた



「僕が死んだら、土方さんに知らせてくれるかな?久しぶりに会っておいでよ」



総司が言ってくれなかったら
歳三に会いに行かなかった



体を重ねることもなかった






目覚めると、歳三はいなかった

やはり、戦はやめられないのね





涙を拭いて、江戸城へ





「おかえり」

「ただいま」



桂さんが、私の涙の跡をなぞる


「お別れできたかい?」

「うん」


総司のところに行くとしか、言ってない


歳三に会ったこと



なぜだか



言わなかった



なぜって、こともないか



歳三と桂さんは、敵なんだから





「ねえ?どうして、戦うの?」


「守るものがあるからだよ」


「話し合い、出来ないの?」


「出来なかったんだ… 残念だな」


桂さん…… あっ 木戸さんと

大阪へ


まずは、旅籠で遠藤さんに会った


「桃さん!来てくれたんですか!?」

「来たというか…帰り道?」



遠藤さんも一緒に、木戸さんと三人で
大阪にいらっしゃる天子様の所へ


「依里ぃ~!!!」
「睦仁様~!!!」


人目も憚らず、抱き合う私たちは
相変わらずだ


「お元気そうで!!」

「依里も、元気そうで安心したぞ!
木戸が、近況を知らせてくれていたが
やはり… 実際に会わねばなぁ!!!」

「うふふっ 私、明日には長州へたちます」

「そうか…」

「睦仁様?江戸城へ参られるのであれば
道中の警護は、藤原をお呼び下さいね!」

「よいのか?」

「ええ 睦仁様を守る為なら」



終始、口がパックリ開いていた遠藤さん
天子様と仲良しだなんて、驚くか…



旅籠に戻ってから、遠藤さんが
何か言いたげ…


「なんです?」

「天子様とは、どのような御関係なのかな」

「んー?元許嫁? ん?主従関係?
んー友達かな!?」

「へっ……へぇ」


「桃、帰りはどうする?」

「一人でいいよ」

「だ!ダメですよ!!危ない!!
俺が里帰りついでに送りますから!!!」

「遠藤が付添いしてくれるなら、安心だな」

「遠藤さん…いいの?」

「桃さんを、しっかりお守りします!!!」



帰り途中



山賊に出会したが、全員気絶させた



「桃さん…強いんですねぇ……」

「はい!因みに、藤原孝頼という男の名前を
持っています!」

「天子様に言っていた藤原とは、桃さんでしたか!」



遠藤さんに、身の上話をしながら


帰ってきた


久しぶりの旅籠


ご主人は、目や耳の悪くなった私を
快く、受け入れてくれた





遠藤さんは、すぐに大阪へ戻った















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