私の小さな願い事
明治 十六年 春

私の小さな願い事

私は、大阪に移り住み

遠藤さんと暮らすようになった

私の料理をおいしいと涙する

梅太郎と本当の親子のように

時に厳しく、激しい喧嘩もする

梅太郎は、遠藤さんが大好き



たくさんの人に支えられ



今の幸せがある








「お願いがあるんです
造幣局の桜を見せて下さいませんか?」


遠藤さんが綺麗だって言うから

見てみたかった


昨年の春にお願いしたこと


今年、実現してくれた



「わぁ~」



私の薄い目にも、あざやかな柔らかい

桜の色が見える












「目が見えなくなっても、毎年ここに
連れて来て下さいね!!
梅太郎と三人で来ましょうね!!」


















ずっと

平和な世が、続きますように













             終わり








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