私の小さな願い事

紅葉狩り

「依里!!
明日は、久しぶりに家茂様に会えるわね!」


就寝前に、優がウキウキしながら

私に言った


「優の方が嬉しそうね」

「うふふっ 実はね…」


優は、私よりも四つ上

沖田さんと同じ歳


「一ツ橋様を拝見するのが、楽しみで!!」

「なんで?」

「あら?知らないの??
大奥入りをしない、美丈夫!!
女子が騒ぐから、大奥に来ないのよ!!」

「へぇ~」


ごめん、なんか… 興味ないかも…



明日は、なんと

紅葉狩り!!


隠密としてでなく、徳川依里として

参加するのだ……


私は、ちゃんと歩けるのだろうか


兄に恥をかかせてはならない



「依里、最近は、新選組に行かなくなったわね?どうして?」

「なんか…申し訳なくて……」

「そうよねぇ~ 弟子が上司だと
土方さんも気をつかうでしょうしね」

「ん~ちょっと違うかな
私なんかが、弟子で嫌かなって……」


優が布団から出て、私の方に向かって

正座した

何事? 私も上半身を起こす


「二度と、私なんか…などと
言わないで!!
私は、貴方に人生を捧げたいの!!
がっかりさせないで!!」


どうして、優はそんなにまでして

私を大切にしてくれるの?


「ごめん」


そう言うのが精一杯だった








優にまで、嫌われたくない











< 27 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop