私の小さな願い事
元治 元年 春
風邪
~依里~
一ツ橋様ともめ事を起こしてから
私は、仕事から外された
密かに大阪城へ送られて
喋らずの姫に戻った
畳との睨めっこをして
部屋に閉じこもる
「依里様、どうか…お食事を……」
優が作ってくれたお粥を冷まして
私の口に持ってくる
どうしても食べる気にならない
そんな日々が続き
ついに私は、風邪をひいて寝込む
寝ているのに、天井がぐるぐると回る
吐き気に恐れるが、何も食べていないから
吐く物もない
ずっと、優が私の世話をしてくれる
「優… あり……が…と……ね……」
久しぶりに喋ると、喉が渇いていたせいもあり、吐き気がする
「依里様!!しっかり!!
私がそばにいますから!!
さぁ、少し水を!!」
湯呑みから流れてくる水を一口
それだけで、スーーッと気分が良くなった
寝込んでから、目が覚めている間が
すごく短い
それに気がついたのは、優の着物が目覚める度に違うから
うとうとと目を瞑る
もう、目覚めることがないかも
兄上……ごめんなさい
せっかく、私を探してくれたのに
役に立てなくて……
一ツ橋様ともめ事を起こしてから
私は、仕事から外された
密かに大阪城へ送られて
喋らずの姫に戻った
畳との睨めっこをして
部屋に閉じこもる
「依里様、どうか…お食事を……」
優が作ってくれたお粥を冷まして
私の口に持ってくる
どうしても食べる気にならない
そんな日々が続き
ついに私は、風邪をひいて寝込む
寝ているのに、天井がぐるぐると回る
吐き気に恐れるが、何も食べていないから
吐く物もない
ずっと、優が私の世話をしてくれる
「優… あり……が…と……ね……」
久しぶりに喋ると、喉が渇いていたせいもあり、吐き気がする
「依里様!!しっかり!!
私がそばにいますから!!
さぁ、少し水を!!」
湯呑みから流れてくる水を一口
それだけで、スーーッと気分が良くなった
寝込んでから、目が覚めている間が
すごく短い
それに気がついたのは、優の着物が目覚める度に違うから
うとうとと目を瞑る
もう、目覚めることがないかも
兄上……ごめんなさい
せっかく、私を探してくれたのに
役に立てなくて……