私の小さな願い事
数日後




動けるようになり、庭を兄と歩く


「わぁ!!!桜が咲いてる!!!」

「綺麗だな」


目を瞑ると、桜から東宮様が連想された


「東宮様が、依里に会いたいと仰せだ」

「私も!!会いたい!!」


気持ちが通じたみたい


「依里…私は、江戸に戻る」

「え?」

「大奥に戻る」

「そんな……」

「大丈夫!!依里には、優がいる!!
東宮様の為に、頑張って名誉挽回だな!?」


「兄上…」


ニコニコと相変わらずのお日様な笑顔


「東宮様の為に頑張ります!!!」



力強く宣言した




私は、もっと強くなりたい


心も



守られてばかりじゃ駄目


私も優を守る!!






桜が散り






少したってから






兄  将軍 家茂が江戸へ戻った






和宮様へのお土産を一緒に選ばせてもらった




兄を見送り、体力も回復し稽古をしてから

優と御所に戻った



「おかえり」



そう言って迎えてくれた


東宮様にも


頭達にも


深く頭を下げた




私は、なんて恵まれているのだろうか





この仲間を大切にしなければ




守りたい








< 37 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop