私の小さな願い事
しばらく、兄と散歩を楽しんだ
会話はしていない
花嫁修業をすると言ってしまった
私のような育ちの者が、天子様の御子息
つまり、東宮様に嫁ぐ
しきたりを学ぶ前に、私は女としての作法が、出来ない
「クククッ 不安そうだな?」
私の顔を覗き、意地悪に笑う
「大丈夫!依里は、可愛いから
東宮様もすぐにお気に召すはずだ!!」
兄は、やはりお日様だ
不安でいっぱいだけど、自分から
言ってしまったんだから
覚悟して、頷く
クスクス笑いながら
私の頭に手を置き
「花嫁修業は、いらぬ!
そのままでよい!依里らしさがなくなっては、さみしいからな!」
兄は、そう言ってくれたけど
そうもいかないらしい
「お家の恥になっては、困ります!」
翌日から、優に御指南いただいている
「何度言えばわかるのです!!」
「あ~ダメダメ!!」
「まぁ!!はしたない!!」
やることなすこと
ダメらしい
三日もすると
私は、すっかりやる気をなくした
三日坊主とは、私のことだ
我ながら、情けない
「お依里様!!このようなことでくじけては、家茂様の顔に泥を塗ることになります!
どうか、もう少し本腰を入れ
頑張って下さいまし!!
そうだ!!ここを山と思えばどうです?」
思えるはずもない…
思いたくもない…
会話はしていない
花嫁修業をすると言ってしまった
私のような育ちの者が、天子様の御子息
つまり、東宮様に嫁ぐ
しきたりを学ぶ前に、私は女としての作法が、出来ない
「クククッ 不安そうだな?」
私の顔を覗き、意地悪に笑う
「大丈夫!依里は、可愛いから
東宮様もすぐにお気に召すはずだ!!」
兄は、やはりお日様だ
不安でいっぱいだけど、自分から
言ってしまったんだから
覚悟して、頷く
クスクス笑いながら
私の頭に手を置き
「花嫁修業は、いらぬ!
そのままでよい!依里らしさがなくなっては、さみしいからな!」
兄は、そう言ってくれたけど
そうもいかないらしい
「お家の恥になっては、困ります!」
翌日から、優に御指南いただいている
「何度言えばわかるのです!!」
「あ~ダメダメ!!」
「まぁ!!はしたない!!」
やることなすこと
ダメらしい
三日もすると
私は、すっかりやる気をなくした
三日坊主とは、私のことだ
我ながら、情けない
「お依里様!!このようなことでくじけては、家茂様の顔に泥を塗ることになります!
どうか、もう少し本腰を入れ
頑張って下さいまし!!
そうだ!!ここを山と思えばどうです?」
思えるはずもない…
思いたくもない…