私の小さな願い事
翌朝





夜が明けきらない、薄暗い中



優が迎えに来た日のこと

大奥に戻ってからのことを思い出した



新八の腕から、コソッと抜け出し

四つん這いで歳三の部屋を目指した


そっと襖を開ける


!!!!!



そっと襖を閉めた


四つん這いで部屋に戻り


どうしようと


悩む





ズキッ




頭痛がして、頭を抱える


「いったぁ……」

「ん?……依里?どうした?」



平助は、熟睡

新八は、私の声に目を覚ましたようだ


「あ……た…まが……」


新八が昨夜のように優しく

背中を撫でてくれた


「依里力を抜け、俺に体を預けて楽にしろ!
大丈夫!すぐ治まるぞ!!」


その言葉通り


頭痛は、すぐに治まった



しかし…



体に力が入らない

かろうじて、呼吸は楽に出来る


起きた平助が、歳三達に知らせてくれて


二人と一緒に、医者らしき男が来た

ぱっと見て、女かと思うほど綺麗な男が

何か言っているけど

あれ?

聞こえない……


でも、つい先ほどまで新八の声が…




考えてたら、また少しづつ記憶が甦る


そして、私は



檻の中に戻った



誰とも会話せず、ひたすら床を見つめる

時々、動こうとするけど

立てない…



新選組の幹部は、かわるがわる私の様子を
見てくれる


だけど、私は


誰とも目を合わせない


新八の部屋に転がり込んで数日が過ぎた







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