私の小さな願い事
元治 元年 冬

会いたい…

~土方歳三~



警護の仕事にも、一ツ橋様の隣にも

依里がいない



優が情報を集める為

甘味屋で働くようになった



今、総司とその店にいる



「なぁ?依里のことなんかわかったか?」

「偉そうに!!」


「優さん、何かわかったこと教えて下さい」

「沖田さんが言うなら!!」



俺と優は、恋仲になった

しかし、俺達をつなぐ依里が嫁入りして

嫁入りしたにもかかわらず

警護に参加したり

ホッとしていたのに


それが、ぱったり



依里の姿も、話も聞かなくなったのだ



「それがね……」

「え?懐妊?」

「なんで、公表されてねぇんだ?」

「それがね…どうも、体調が優れないとかで、ずっと部屋に籠もってて
依里様、そういうとこあるから……
はぁ~看病して差し上げたいわ」



依里は、優を連れて行かなかった

優の幸せを願ってのことだった

だが、俺と添い遂げる気はないらしい

優は、依里のことしか頭にない


「家茂様にも、文がないそうなの…
一ツ橋様から家茂様に時々、文が届くそうで……その内容がこれだったんだけど」


文を読ませて貰うと

文面から、一ツ橋公も依里に会っていない


「おかしいですねぇ?」

「やっぱり、そう思います?」

「閉じ籠もってるってよりかは、閉じ込められている感じだな」

「土方~依里様に会いたい~」



こいつは、俺の為にこういう台詞を言わないが、依里のことを考えている時は
女らしい


「そうだな…」

「会いたいですね」



惚れた弱みなのか、優と依里を会わせてやりたいと思った





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