恋の相手は強引上司
するとすかさず男が

「ねぇ~この間は何?」

二つ分空いた椅子を指さした。

「何って・・・私がどこに座ろうと関係ないじゃないですか。だいたい一緒に飲もうなんて
私言ってないし・・・それにあなたが何者かも知らないんだけど・・・」

「ふ~~ん。じゃ~あー」

男はレモンチューハイのグラスを私に近づけると席を移動し私のすぐ横に座った。

「ちょ・・ちょっと」

「とりあえず乾杯しよう~~」

無理やり感半端ないこの男は私のウーロンハイを取ると

私に持てと差しだした。

最初は首を横に振ったがどっちも引こうとしない。

これじゃ~らちがあかないと思った私は仕方なくグラスを受け取った。

カチ~ンとガラスの重なり合う音と共に「おつかれ~~」と

声を弾ませ男はレモンチューハイを飲んだ。

ゴクゴクと喉仏が動くがその姿さえかっこいい。

結局、イケメンっていうのは何をやってもかっこいいってことなんだよね。

喉仏みてかっこいいなんて思ったのは人生初だよ!

それにしてもこの人、自分が店内でどれほどのオーラを放っているのか

わかっているのだろうか・・・・・

いや・・・こりゃ~無自覚だな・・・世の中理不尽なことが多すぎる。

このままだと負のオーラーを撒き散らしそうだと思った私は

退散してコンビニ寄ってビール買って家飲みしたほうがいいと決断すると

ウーロンハイを半分ほど一気に飲んだ。
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