恋の相手は強引上司
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ラブのち曇り?

「うそ・・・・」

一馬の話を聞いた私はそれが自分の事だとは到底思えなかった。

まるで漫画や小説を読み聞かされているように・・・・

だって・・・

「その顔・・・全く記憶にないって顔だよね」

苦笑いするもそれは想定内だったからとショックを受けているようにはみえなかったが

私の方はかなりショックというか

まるで記憶喪失にでもなったような気分だった。

私のような接客を中心とした仕事は日々いろんな方がご来店くださる。

こんなこと言うと失礼かもしれないが

接客したお客さま一人一人を細かく記憶することなどロボットじゃあるまいし

よっぽど頻繁に来てくださる方でない限り憶えていないことの方が多い。

そして、その中の一人に一馬がいてその時の出会いがきっかけで

大越デパートに就職してたいたなんて・・・・思ってもいない事

「私…なんて言ったらいいのか・・・ごめんなさい」

もう何もかもがごめんなさいだ。

私となんか、かかわらなきゃもっと違う将来が待っていたのかもしれないのに

大勢の中の1人にすぎなかったのに・・・

彼の中で私という人間が独り歩きしているような気がして

私は一馬が思っているようなすごい人間じゃないのになんだか申し訳ない気持ちになった。
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