恋の相手は強引上司
「え?」

カエルのボールペン?

「ちょっと待ってて・・・・」

一馬はウインカーを出しサービスエリアへと入っていった。

人気のあるサービスエリアだがは平日の夕方ということもありすぐに車を止めることが出来た。

一馬はシートベルトを外すとダッシュボードからボールペンを取り出した。

カエルの柄の入ったボールペンでノック部分がカエルの顔になっている。

一馬が持つには可愛すぎるものだったが・・・・・ハッとした。

えっ?これって随分前だけど私が持っていたものと同じ?

・・・って

ちょっと待って・・・

脳裏にうっすらと記憶のようなものが映った。

ネクタイを買ったお客様にスーツも選んでほしいと言われた。

よくあることだから別になんとも思わなかった。

ただ珍しく若い男の人で・・・・年配なら堂々とできる接客も

若いお客様の接客は未だにだが恥ずかしくて直視できない。

スーツ裾直しがあったため伝票に必要事項を記入してもらおうと

胸ポケットのボールペンを取ろうとしたら、あるはずのボールペンがない。

カウンターからボールペンを取りに行こうとすると

「自分のあるから」とそのお客様はカバンからボールペンを取り出した。

その取り出したボールペンが私と同じものだった。
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