恋の相手は強引上司
びっくりしたものの先客がいたら座れない。

今までこの席をとられたことがなかった私はどうしたらいいのか

その場に立ちつくした。

「どうしたの?座らないの?」

「え?・・・あっ・・・いいの・・・ごめん」

今日は借りて家に帰ろう・・そう思って回れ右をしたが

「もしかして・・・ここって君の指定席?」

振り返ると翼君は座ってた椅子の隣に移動して

頬杖を突きながら私のお気に入りの席を指さした。

「いや・・・その・・・」

いくら席を空けてくれたからと言っても私みたいな地味子が学校の王子の隣になんて

とても座れない。

いいです。と手をぶんぶんと横に振ると翼君は目を細めた。

「恋実ちゃんがいつもここで本を読んでいること知っててわざとここで待ち伏せしてた
っていったらどうする?」

翼君の言葉に私の鼓動がバクバクと激しく波打った。

もう訳がわからない。

だって今まで2人きりで話したと言ってもあいさつプラスα程度

特に共通の趣味があるわけでもない。

それなのになぜ?私がここで本を読むことが好きだって事を知っていたの?

この場所はごくわずかな友人しかも女の子にしか話してない。

私をからかっているの?そう思うも

彼の性格からしてそれは・・・・・ありえなかった。

だって翼君は・・・・王子様だから
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