恋の相手は強引上司
顔を見ずともそれが誰なのか私にはすぐわかった。

なんでここに?そう思うも

話しをしたらまた泣いてしまうかもしれない。

「・・・・・・・・」

無視するかのように本から目を離さずにいた。

だけどただ見ているだけで何も頭に入っていない。

読んでいるふりをしているようなものだった。

「はあ~~っ・・・・無視・・・かっ」

頬杖を突きながら大きくため息をつくも帰る気配はないようだ。

これじゃ~私は何か言わない限り席は立たない・・・・

「何ですか・・・・今更」

感情を押し殺し淡々と話すと

「あれ?冷たいな~~って…俺のせいだもんね~アハハ
いやさ~俺・・・卒業するまでは誰にでもやさいい翼君でいたいんだよね。
特に女の子の前ではさ~~だけど本当の俺を知っている女の子がここにいるわけじゃん」

「・・・・誰にもいいませんよ」

「あっ!言いたい事わかってくれちゃってた?さすが恋実ちゃん」

「誰にも言わないから私に金輪際話しかけないでください」

翼君はニヤリと笑うと静かに席を立った。

「大丈夫だよ。俺も今日そのつもりでここに来たんだから」

何を言ってもこの人が優位に立っているのが凄く気に食わない。

「・・・・・・」

私は顔をあげ翼君を睨んだが翼君は私の睨みなど屁とも思わないのか

ニヤリと笑ってその場を立ち去った


その後3年になるとクラスもかわり

翼君と言葉を交わすことは二度となかった。


そして私はあの事がきっかけで一馬と出会うまで恋愛という

言葉を封印したのだった。





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