恋の相手は強引上司
「私・・・なんか変なこと言わなかった?」

「変な事がどういう類の事を言うのかわかんないけど・・・・
 俺的にはめっちゃ楽しかった。ちなみに俺がここにいるのも
恋実が家で飲み直そう~~って誘ったんだからね」

「ええええ?!嘘?!」

じょ・・・冗談でしょ?

私から誘うなんて絶対ありえない。

「いやいや・・・本当だから。だって部屋の鍵開けたの俺じゃないからね。
あと・・・ついでだから言うけど俺、恋実の服脱がせてないから」

あまりに衝撃的な発言に、もう~脳内パニック状態だった。

だって、話をまとめたら私が一馬を誘って家に入れて自分から服脱いじゃったってことでしょ?

改めて自分の取った行動に全身から震えがきた。

「ごめんなさい!昨日の私は・・・・本当の私じゃないの。だからなかったことにして!」

もうこの場から消えてしまいたい。

毛布にくるまりながら床につくぐらい頭を下げた。

「それ・・・・本気で言ってんの?」

急に真面目な声が頭上から聞こえ顔をあげると一馬は真っ直ぐ私を見つめた。

「本気もなにも・・・だって私、今までの人生の中でこんな醜態見せたことなかったし・・・・
第一記憶がないんだもん」

「じゃあ・・・・昨夜、ここでのこと何も覚えてないんだね」

私は何度も首を縦に振った。

「ってことは・・・・あのことも覚えていないんだ」

一馬はショックを顔全体で表現するかの様に顔を歪め肩を落とした。
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