恋の相手は強引上司
思いもよらぬ展開に私は2人が帰ってもその場に立ち尽くしていた。

「恋実?座ったら?」

「あっ・・・・・・ごめん」

力なく座ると翼君が「水…飲んだら?落ち着くよ」

と言いながら水の入ったグラスを私に差し出した。

ありがとうと言いながらコップを受け取り一口飲むが

さっきの一馬の冷たい声と怒っている顔が頭から離れず

ため息がでてしまう。

それにもう一つ・・・・・いくら翼君とのわだかまりが解けたからと言っても

それを結婚に結び付けるなんて無理

「ごめん…翼君。昨日言いそびれてたんだけど・・・・

実は私今、付き合っている人がいるの」

あ~~こういうセリフを誰かに言うのは生まれて初めてだけど

このセリフを1度でもいいから言って見たかったと一度でも

思ったことを後悔した。

翼君は暫く何かを考えるようにお箸を無造作に動かしていた。

「・・・・・もしかしてだけど・・・お前の彼氏ってさっきの上司?」

私は黙って頷いた。

暫く沈黙が続いた。

「だよな・・・なんか俺睨まれているような感じがしたんだよな~」

「えっ?そうなの・・・・ごめんなさい」

なんかもういろんな人に私は迷惑をかけているとしか思えない。
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