恋の相手は強引上司
3階まであがりゆっくりと視線を自分の部屋のドアへとむけると

「・・・・・・・」

やっぱりいないじゃん。

その途端、頭の中はいろんな思いが駆け巡った。

こんなことになるくらいなら翼君の誘いを断ればよかったとか

断ればよかったとか・・・・しつこいようだが断ればよかったとか・・・

完全に翼君を悪者扱いしてる嫌な女になってるし

仕事を家にまで持ち帰ってやってる一馬に無理やりでも翼君の事を話しておけばよかったのか?とか

残業してけばよかったとか

逆方向歩いて帰ればよかったのかとか

どれもこれも後の祭りだけど・・・・

とにかく自分の選択は全てよくなかったと自分を責めるしかなかった。


「うっ・・・なんか泣ける」

ちょっと前まで泣けることすらなかった氷河期だったのに

今じゃ~自分の気持ちが一馬でいっぱいになって

いいことも不安なことも全部が一馬に繋がっていて

だけど・・・・今は不安で埋め尽くされて溺れちゃいそうで・・・・

そういうことに全く慣れていないから

どうしたらいいんだろうって思ったら

涙がポロポロなんてかわいいもんじゃなくて

鼻水ももれなくついてくるってくらいボロボロで・・・・・

さっさと家の中に入って思い切り泣けばいいのにその場から動けずに泣いた。

あーあ、自分が思っていた以上に

私は一馬がスキだったってことに気づいちゃったよー。

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