恋の相手は強引上司
「あの・・・顔を洗ったらちゃんと話するから・・・・だから」

離してと言いたかったが

「俺…油断してた」

「え?」

「なんだろう~とにかくさっきの様な事は俺には無縁だと・・・思ってた
恋実にとっての男は俺だけだし恋実の良さを分かっているのも
俺だけだってどこかで安心していた。
だけど・・・・居酒屋で恋実が男といるところを目の当たりにして
名取がいなかったら俺・・・・」

一馬は私をさらに強く抱きしめた。

「・・・・ごめんなさい。だけど・・・・翼君とは本当に名取が言うような
ことはないし・・・・」


「・・・・わかってる・・・・あんな必死な目で俺を見ればわかるよ。
それに俺が恋実より名取の言っていることを信じると思うか?」

うっ・・・・たしかに・・・・

「でも・・・・本当の事をいうと・・・翼君と私はなんというか・・・・
なんちゃって彼氏だったんだよね」

「は?なんだそれ」



***********************


玄関先で話すような事ではないと

私たちは家の中に入ると部屋着に着替えた。

もちろん一馬は私から離れようとする気はさらさらなく

2人掛けソファーに座るとかなり密着してきた。

もっと修羅場になるかと思ったのに(テレサさんとの時は私がかなり怒ってたし)

いつもと変わらない一馬がとても大人に見えた。(同い年だけど)

そして

私が一馬と出会うまで恋愛から遠ざかってしまった理由・・・・

高校2年のあの夏の出来事を話した。

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