恋の相手は強引上司
恋人にだなんて・・・・私一体この人に何言っちゃったの?!

「ねぇ・・・責任の取り方に選択肢とかないの?」

「ないね。というかさ~なんでそんなに拒むの?昨日はあんなにいい夜だったのに」

いい夜ってなんなのよ。

教えて欲しいといっても教えてくれないんじゃどうしようもないじゃない。

「大体さ~~私あなたの事何も知らないんだけど・・・・」

一馬がベッドから下りて私の目の前に座った。

昨日も思ったけどムカつくくらいの男前だ。

好みだとかいろいろあるだろうけど、どんな人が見てもかっこいいと思う。

存在そのものがかっこいいのだ。

それが寝起きだろうが、おならをしようが、歯に青のりが付いていたとしても

かっこいいから許される。そのぐらいハイレベルな男前。

そんな人がどうして冴えないという言葉がぴったりな私と

恋人になりたいというの?

もしかして詐欺師?

そうだ詐欺師に違いない。

男性経験がなさそうで、しかも貯金が趣味みたいな女に結婚話とか持ちかけて

理由をつけては金をせしめる。

じゃなきゃこんなイケメンが私に近づくはずがない。

そもそも出会いだって居酒屋でぶつかったのも今思えば

かなり怪しいニオイがするよ!

ぶつかってきたのもわざとかもしれない。

それとも・・・まさかのゲイ?!

なにかのっぴきならない理由があってカモフラージュのための偽の恋人を

探していてたまたま私と出会ったとか・・・

もう~~頭の中は朝のワイドショーのラインナップのようだった。
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