恋の相手は強引上司
急に一馬が大きな声を出すもんだからびっくり。

「え?」

一馬は何かもったいぶった顔をすると枕の下に入れておいた自分のスマホを

取り出し電話をかけ始めた。

私はただ上目遣いで彼の顔を見ているだけ・・・・

なんなの?

方法があるって言っておきながら電話って

だけどその電話は・・・・

「おはよう、土屋です。昨日名取君にも伝えておいたんだけど・・・・
今日は特に急ぎの仕事もないしここずっと休んでないから今日お休みもらいます。
・・・・うん・・・そうだね・・・その件は君に任せるから。それと昨日の展示会の
資料は名取君からもらっておいてくれ。…じゃあ・・お願いします」

「・・・・・休みにしたの?」

「こうでもしないとなかなか休めないしね・・・・それに」

「それに?」

一馬はニヤリと笑いながらスマホを元の枕の下に入れると

私を抱きしめた。

「昨日のあれじゃ~~物足りないしね」

「えええ?!」

一馬が身体を起こすと私に覆いかぶさってきた。

「ちょ・・ちょっと…今は無理無理!」

「なんで?」

「・・・・・身体中が痛いです・・・」

「じゃ~~俺がほぐしてやるよ」

一馬は体を起こし両手をぐにゃぐにゃさせながら再び覆いかぶさろうとした・・・が

「いい!それもいい。それよりもさっきの方法教えてよ!」

「後じゃ~~」

「ダメ!」

一馬はハァ~~とあからさまに嫌そうな顔をしたが諦めたのか

元の位置に戻ると真面目な顔で私を見つめた。


「これはあくまで俺の考えだからな。ドン引きすんなよ」

「うん」

私は小刻みに頷いた。


「俺たちが結婚すればいいんだよ」
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