恋の相手は強引上司
「おい!今、変な想像したろ。俺が結婚詐欺師かゲイじゃないかとか」
「なっ!」
・・・何でわかった?私の心の声が聞こえちゃった?
「残念だけど俺は詐欺師の様に器用な事できないし、男は恋愛対象者じゃない。
とにかく今日から恋実は俺の彼女だから」
一馬はすっと立ち上がった。そして壁かけ時計に視線を向けるとベッドの上に置いたスマホを掴み
玄関の方へ行くと電話をかけはじめた。
誰に話をしているのかわからないが、声がさっきより1トーン下がった感じだった。
私は一馬が電話をかけている間にスウェットのワンピースをタンスから取り出すと
ものすごい勢いで着替えた。
ところでこれだけギャーギャーいっていたが一体今何時なんだ?
壁かけ時計に目をやると7時20分だった。
今日は平日だけど・・・・あの人大丈夫なのか?
出勤時間とかいいのかしら?
私は・・・今日休みだからいいけど
一馬と時計をチラチラみながら私は毛布を畳んでベッドに置くと
冷蔵庫から牛乳を取り出し少し飲んだ。
すると一馬が玄関から戻って来て私の持っているマグカップを見た。
「あっ!俺も飲みたい」
「牛乳だけど」
「なんでもいい喉渇いた・・・・ってかこれでいい」
一馬は私の持っていたマグカップを取って飲んだ。
ちょっと!
これって間接キスってやつ?!
いい年してこんなことでドキドキするのはどうかと思うけど
こんな経験今まで一度もなかったから・・・・しかも牛乳だし。
色気の欠片もない。