恋の相手は強引上司
「おはよ~ございます」

・・・といっても誰もいない。

いつも私が一番のりだ。

別に好きで早く出社したいのではなく

電車が混んでない時間を選んでるからだ。

だって朝からもみくちゃになって体力を消耗したくない。

カウンターの下に私物袋を置くと商品の上に被せてある布を取り畳む。

自分の売場の半分位畳終わった頃

後輩たちがやってくる。

「真壁さんおはようございまーす」

ほらね・・・・

先輩より遅く出社しても何も思ってない。それが当たり前になっている。

「おはよ~~」

「真壁さん、歓送迎会途中でドロンしましたよね~~~」

私知ってんだからとでも言いたげに近寄ってきたのはうちのフロアで一番可愛くて

もてるけど仕事は少々ミスの多い3つ下の名取千夏(なとりちなつ)

仕事より多くの出会いを大切?にしてる子で

よくお客さんに声をかけられる。

でもドロンはないわ~~

「あ~~あの日は本当は体調悪かったんだよね、だから課長に挨拶したら帰っちゃいました」

「そうなんです?大丈夫ですか?」

毎回思うが本当に心こもってないわ~~

「ありがとう。大丈夫よ」(全然元気です)

「でも・・・先に帰って良かったかも・・・」

「なんで?」
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