恋の相手は強引上司
「実はですね、歓送迎会の主役の土屋課長がドタキャンだったんです~~」

「へ~~」

返事はしたものの興味はない。

だが急に名取の表情が緩んだ

「でも~昨日全体朝礼があって土屋課長の挨拶があったんです~~~」

かなり語尾が上がってるよ。西村課長が土屋課長はイケメンだっていってたからな~~

もうロックオンしちゃったとか?

「へ~~~」

でも興味なし

私は仕事のできる上司がいい。イケメンというオプションは特にいらない。

ま~~名取の場合はイケメンが第一で仕事ができるってのがオプションみたいなもんだろうけど・・・

「で~~!その土屋課長なんですが~ちょ~~~~~~イケメンなんですよ!」
名取は両手を胸の位置で握るとパチパチと派手に瞬きをした。

少女漫画のヒロインってやつか?

「へ~~~」

「へ~~じゃなくて!土屋課長って真壁さんと同い年みたいですよ。
真壁さんの年齢で課長ってすごくないですか?!しかも独身!私もう一目惚れですよ!」

「はいはい」(ほらね)

名取の『一目惚れ』って言葉は年に軽く片手は聞くから今更驚かない。

「もう~~!そんな私関係ないみたいな顔しないでくださいよ~~。
真壁さんだって課長みたら絶対に惚れちゃうんだから。でも・・・私が先に好きになったんだから
とっちゃダメですよ」

「はいはい・・・それよりつり銭当番名取だよね~~朝礼始まる前に取りに行かないと
そのイケメン課長に嫌われるんじゃないの?」

名取は時計を見て

「あっ!やだ~~~出納行ってきます~~」といいながら走っていった。
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