恋の相手は強引上司
それから一馬は次長と共に隣の売り場へ・・・・

「はぁ・・・・信じられない」

手に持っていたダスターをぎゅっと力いっぱい握り締めた。

「真壁さ~~ん!」

出納から帰ってきた名取は少し興奮気味だった。

「なに?」

「今、土屋課長来てました?」

「うん」

名取はつり銭の入った袋をカウンターの上に置くと大きく肩を落とした。

「ショック~~!エレベーターが満員で1回見送ったんですよ。
こんなことなら階段使えばよかった」

口を尖らせながらつり銭をレジに入れ始めた。

「別にいいじゃん。直属の上司でいつでも会えるんだし」

だが、名取の機嫌はまだ治らない様子で・・・・

「で、真壁さん見ました?土屋課長~~超カッコいいですよね~~やっぱり私は
スーツの似合う人がいいな~~土屋課長どストライクですよ!
あ~~~なんか用事作って事務所行ってこようかな~~」

そういう時だけ頭の回転いいんだよな~~名取は

「どストライクでもなんでもいいけど開店3分前よ」

名取は慌ててレジに釣銭を入れると

鏡で全身をチェックして

定位置に立った。


「真壁さん?」

「なに」

「私、本気ですから」

何だかいつもの名取とは思えないほど本気が伝わった。

だけど・・・・名取、ごめん!

あの人私の彼氏なの~~

とはとても言えないわ・・・・

ってかそれ以前に信じてもらえそうにもないけど・・・・・
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