恋の相手は強引上司
「別にそんなこと私お願いしてないけど・・・・・」

口を尖らせちょっと語気を荒げてしまった。

「・・・・・・・」

さすがにまずかったかな・・・・

上目遣いで一馬を見ると

「可愛くねーな~~。あの時の恋実は可愛かったのに」

あの時という言葉に敏感に反応し顔が真っ赤になる。

でもあの時になにが起こったのか記憶は全くなし

もう~~自分で自分をコントロールできないよ~~

恋愛よりも仕事とお金が一番だって思っている私にはハードルが高すぎる。

「本当に・・・付き合うの?っていうか・・・・今更だけど
私のことが好き?・・なんですか?」

こんなイケメンに地味子が上から目線っぽい言い方するのもなんだけど

でも重要なのはそこだよね(と自分に言い聞かせる私)

一馬はじっと私を見つめるとニヤリと笑った。

「もちろん!好きだよ」

しかもかなりのドヤ顔だ。

出会って2~3日でどうしてここまでのドヤ顔ができるんだ?

「でも・・・・私は一馬の事好きでも嫌いでもないんだよ。
 それよりも戸惑いしかない。好きになれる自信も正直わかんないんだよ。
それでもいいの?」

「それでもいいよ。絶対に俺の事好きにさせるからさ~~それより腹減った~~
ビール飲みたい」

何なんだこの自信は。

イケメンだからか?

「はいはい・・・・お口に合うかわかりませんが」

私は適当に作ったつまみとビールで乾杯した。

乾杯って気分じゃないけどね・・・・

とにかく、私はこのイケメンで同い年の上司と人生初のお付き合いをすることに

なってしまった。

ワクワクとは程遠いドキドキしかなかった。

だって男性とのお付き合いって何するんだか全く未知の世界なんだから


< 31 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop