恋の相手は強引上司
「あのな、理屈とかそういうのもう面倒臭いからもう言わない。そのかわり・・・・」

「その・・・かわり?」

何か変なことを言われるんじゃないかと身構えた私に一馬の顔がぐっと近づき

逃げるんじゃねーよとでも言いたげに私の手を掴んだ。

「一日一回、必ず電話かメールをすること」

「は?」

「は?じゃない。お前だけじゃない。俺だってするよ。
だけど、俺との距離を縮めるためにもこれが手っ取り早い。それと・・・」

「まだあるの?」

男の人と付き合うのってこんなにもお約束事があるの?

だが一馬の一言は意外なもので

「会社でキョドるな!」

「へ?」

またも女の子らしからぬ声が出てしまった。

「へ?じゃねーよ。なんなのあれ・・・毎日毎日俺と目が合うたびにキョロキョロ
して悪いことでもしてるみたいな・・・今はお前の彼氏だけど会社では
俺が上司なんだからな。あーいうの止めてくれよ。お前だけだぞ
あんな態度取るやつは他の女子社員はー」

「それはみんなが一馬を狙ってるからよ。私みたいな地味子と一馬が付き合っているなんて
知れたら・・・・一馬はいいけど私はかなりのとばっちりを受けるの!だから」
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