恋の相手は強引上司
「うそ~~♪だったら私、立候補したい!」

「え~~私も~~」

先生に指名されたい生徒のように次々と手が挙げる。

なんなんだ?これは

親睦会じゃなくて1対6の合コンじゃないか?!

いないなんていうからこんなことになるんだよ~~

目の前に彼女(私)がいるってーのに。

もうどうでもよくなった私は帰るなら本当に今しかない。とよーいドンの姿勢でゆっくりと回れ右をした。

のだが・・・・・・

「真壁さん?」

課長に呼ばれた。

あんなに周りがキャーキャー言っていたのに

課長の声でシーンと静まり視線も私に集中。

「な・・なんです?」

課長の不敵な笑みに嫌な予感しかしない。

「真壁さんは立候補しないの?」

何言ってんだこいつ・・・・

立候補もなにも一応私、あなたの彼女なんだけど?

絶対わざとだよね。

しかも面白がってるよね。

みんなの視線が私に向けられてることをいいことに課長じゃなくて一馬になってるよ。

「し・・・ま・・せん!」

その言葉にすかさず名取が

「もう~~課長。ダメですよ!真壁さんはそういうの嫌いなんですから~~」

でたでた名取の本性

「そういうの?」

課長が聞き返すと

「真壁さんは恋愛とか全く興味ないんですよ~~。恋よりも仕事!なんですよ~
ね~~~真壁さん」

名取の言ってることは間違ってない。

実際一馬とあの時出会う前はそうだったし、付き合っていると言っても

正直それがどんなものかよくわからないことのほうが多い。

一馬の事が好きかと聞かれたら

好きと即答するだろうか・・・・好きというのがどんなものか

私は高校2年のあの時にそういった気持ちを全て抹消してしまったから・・・・
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