恋の相手は強引上司

初めてのキスは資材置き場?!

「真壁さん、こんにちは」

「あっ、堤様いらっしゃいませ」

「先日買ったネクタイだが今回も凄く好評でね、真壁さんに選んでもらったものは
間違いないから凄く助かってるよ」

「そんな、とんでもございません。私はただアドバイスをしただけで選んだのは
堤様ご自身なんですから」

堤様は不動産会社を経営している社長さんだ。

普段人と会うことの多い職業柄身だしなみにはかなり気を使っている。

元々外商のお客様なんだけど

2年前に私が選んだ1本のネクタイを購入したところ

とても評判がよくてそれ以来、こうやってコンスタントにご来店してくださっている。

先日も何か大きな商談があるからとネクタイを購入していただいたのだが

喜んでいただけて私もホッとしている。



堤様の様なお客は結構多い。

ただ、選択を全て私たち販売員に押し付けられるのは困るので

お客様の好みや普段着ているものをある程度把握した上で

いくつか提案し、最終的にはご本人に選んでいただくようにしている。

嘘はつきたくないからなんでもかんでも似合うとは言わない。

あくまでお客に合うものを・・・・これだけは徹底している。

でもね・・・・私につくお客様ってどういう訳か

年配の方が圧倒的に多い。

てか私のチョイスがおっさんウケするのかもしれない。
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