恋の相手は強引上司
ネクタイなんて普段しない若い男性客のほとんどは

何を買えばいいのかわからないと

かわいい名取や後輩たちに声をかける。

たしかに若いもんは若いもん同士でだけど

なんだか境界線は私からって感じがして仕方がない。


そしてそんなご年配のお客様を多く担当して困ることがある。

それが・・・・今回も



「ところで堤様、今日は何をお探しで?」

さ~~今日も頑張るぞ!と意気込んでると

何か言いにくそうに堤様は後頭部に手を当てた。

何か言いにくいものでも探してるとか?

もう一度尋ねてみると

「・・・いや・・・今日は買い物じゃないんだ」

「え?」

その途端いや~な予感がした

買い物じゃなきゃ・・・・まさか


「実は、真壁さんに紹介したい男がいるんだ」


ほらきた!

私が年配のお客様を担当していると年に1~2回こういう話が舞い込む。

その紹介したい男というのは

自分の会社の部下だったり、婚期を逃した御子息だったり

はたまたバツイチの御子息だったり

種類はいろいろ

25歳を過ぎたあたりからこの手の話を持ちかけてくる

お客が多いのだ。
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