恋の相手は強引上司
『えええええ?!』

なぜか堤様と同じリアクションを取ってしまった。

おいおい私にそんな相手がいるとか嘘教えちゃダメだよ。

嘘がばれたらどうするの?

「土屋課長・・・それは・・・・」

どう言ったらいいのか困惑をしてると

「真壁さん・・・君そういう人がいるのかい?」

「ええ~~っと~~それは・・・」

もう~~なんて返事すりゃいいのよ!

否定すればお見合い押し付けられそうだし

肯定すれば相手を聞かれるし

そもそもこんなこという一馬・・いや課長がー

「私です」

それは物凄く小さな声で私と堤様にしか聞こえない声だったが

『嘘!』

また堤様と同じリアクションをしてしまった。

驚いて課長をみると完璧な営業スマイルで

「本当に申し訳ありません。この事はまだ誰にも言ってないので・・・・」

と言うと頭を下げろと私の頭に手を乗せ軽く押した。

「す・・すみません」

課長と一緒に90度の角度で頭を下げると

「そうですか・・・・でも仕方ないですね・・・・相手が悪すぎた」

と頭上から堤様の声が聞こえた。

頭をあげると堤様は私にではなく課長に

「あなたは御目が高い。・・・彼女を幸せにしてやってくれ」

「はい」

極上の笑顔で挨拶する課長に一瞬ドキッとした。

なによその笑顔は!

嘘ついてんのに~~~と思いながらも

鼓動は激しく動いていた。

「真壁さん」

「は・・はい」

「また買い物するときはアドバイス頼むね」

「は・・はい。こちらこそ・・・よろしくお願いします」

頭を下げると堤様は下りのエスカレーターを下りて行かれた。
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