恋の相手は強引上司
一馬の顔がグーっと近づいてキスまであと数センチのところまで迫ってきた。

「名前のまんま恋が実るようにっていったらイコール結婚じゃねーの?」

「えええ恋愛じゃないの?」

「恋人同士になっても別れたら恋は実ったことにはならねーよな」

「いやいや・・・結婚しても離婚したらそれも実らなかったってことになるんじゃ~~」

「安心しろ。離婚はぜったいない」

結婚する前から離婚の話をしてどうすんのよ~~~?!

大体、将来どうのこうの言ってるけど

それ以前に・・・・

「すごいいろんなことすっ飛ばして結婚とか考えられません」

「何が」

この期に及んでまだ文句でもと言いたげに軽く睨む一馬に私は睨み返した。

「ほっぺにチューしたくらいで結婚とか言わないでって言ってんの!」

言ったあとに瞬時で後悔したことは言うまでもない。

だって一馬の口角がぐーっと上がったんだもん。

しかもキスまで数センチのこの状況・・・・やばい


「ふ~~ん。たしかに・・・そうだね。だったら・・・・もう先へ突き進むしかねーな」

「え?・・・あっ・・・・・・・・ん・・・んっ」

それは本当に瞬時という言葉がぴったりだった。


私の唇と一馬の唇が重なり合った。

ほっぺにチューの時の感覚とは別物で

相手の感情が唇にダイレクトに伝わると言ったほうがいいのかな。

とにかく私は生まれて初めて


彼氏で上司の一馬とキスをした。
< 61 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop