恋の相手は強引上司
「西村課長」

「ん?ああ~~真壁~~」

後ろに人がいることに気がつかなかったのだろう。

かなり大きな声で呼ばれで私のほうが恥ずかしくなる。

「ご無沙汰してます。これ・・・金子様がご注文されていた商品です」

「おお~~助かったよ」

と満面の笑みを浮かべ受け取った。

品物さえ渡せばもう終わり。失礼しますとそのまま帰ろうとすると

今から駐車場に向かうから途中まで一緒に行こうと

言うので一緒にエレベーターへ・・・・


エレベーターは運悪く扉が閉まったばかりだった。

西村課長はたくさんの紙袋を足元に置くと

大きく伸びをした。

「忙しいですか?」と在り来りな質問をすると

「ま~~ね。売り場にいた時とはやっぱり違うよ。お客様は大口の買い物が多いから
客単も高いし、扱うものもスケールがちがうから、えええ!って
驚くことも少なくないけどそんな顔はできないからね、驚きは笑顔で隠してる。
ま~~そのうちそういうのもなれるだろう。
でも嫌じゃない。やりがいはあるから楽しいぞ」


明らかに私たちの部署にいた時より生き生きしている。

私もこんなふうに生き生きしてみたい。

仕事はどちらかというと生きていくため。生活するためと思っていて

そこに楽しいという項目が私の中にあるかというと・・・・全体の1割程度のような気がする。

辞めたいとは思わないけど好きだから、楽しいからだけではないのだ。

だから生き生きしている西村課長はなんだかキラキラしてて眩しいぐらいだ。
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