恋の相手は強引上司
駐車場に向かいながらふて腐れ気味に一馬より一歩先を歩いていた。

「本当は・・・・今でもしたくらいだけど?」

「は?」

びっくりして振り返った。

一馬はもう笑っていない。いたって真顔だ

「好きな女と一緒にいたらキスだって、それ以上のことだってしたいよ。
いつだってね・・・・さっきのはそういうのを我慢して紳士的に言ったつもりだけど
まさかそれで足を踏み外すなんて思ってもいないよ・・・・ほらっ、もう笑わねーから
次行くぞ!」

一馬は私の頭をぐしゃぐしゃっとすると先に車の方へ・・・・

なんなんだ~~?!

何気にすごいこと言ったよね!

ダメだ・・・・

私が過剰な反応をしすぎなのかな・・・

男の人と付き合ったことないから

こういうのが恋人同士での普段の会話だとしたら

私ずっーと顔から火出さないといけないじゃない。

っていうかこんなドキドキに慣れる自信がないんですけど~~~~!!!



その後、漁港近くの食堂でおいしい海鮮丼を食べた。

食事中はふつうに会話をしてたんだけど

ふと一馬の唇に目が行くと

さっき言われたことや資材置き場での初キスを思い出してしまう。

「・・ん?どうした?」

「ううん、なんでも・・・おいしいなって」

・・・とごまかした。

いや、確かに海鮮丼は漁港の近くにあるだけあって鮮度がよくて

スーパーで買う刺身とはケタ違いで


ほっぺがおちそう~~~って思ったけど

口に出すのはやめた
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