恋の相手は強引上司
「ごちそうさまでした。でも・・・・本当にいいの?」

会計の時に財布をだしたが一馬が払うと言ってくれた。

でも気が引ける。

「いいの。 初デートなんだから・・・・素直におごられなさい」

と言いながら車に乗った。

男の人からこんなことされたことないからなんだか落ち着かない。

そんな気持ちが顔に出ていたのだろう

「ねえ…楽しい?」

シートベルトを差し込み口入れようとしている手が止まる。

顔を一馬の方に向けるとハンドルに手をかけその上に頭を乗せ

ほんの少し寂しそうな眼差しを向けていた。

「た…楽しいよ。だって・・・2人でドライブとか初めてだったし
さっきの海鮮丼もすごくおいしかったし・・・・」

ただそのすべてが私にとっては初めての体験ばかりで

緊張の方が大きかった・・・とは言えなかった。

だけど一馬の表情は変わらない。

私何か気分を害するような事したのかな?不安になる。

「本当はさ、初デートなら遊園地や水族館なんだろうけど・・・・
そんなのいはいつでも行けるって思ったから敢えてやめたんだ。
それ以前に恋実にとって俺って・・・一応彼氏だけど
気持は?どうなのかなって・・・」

「えっ・・・・それは・・・・」

「いいんだ。それは承知の上だし・・・・そんなに簡単にうまくいくとは
思っていない。だからこそ今日は俺の事もっと知ってほしいなって思ったんだ。
俺が住んでた町や俺の事をね、でも・・・警戒心とまではいかなけど
なかなか心を開いてくれないというか・・・・正直ちょっとへこむ」


うそ・・・・!!!
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