恋の相手は強引上司
よし!この人にパパーっと選んでもらってささ~~~っと帰るぞ!

と意気込んで彼女の後ろに立った。

「すみません」

「はい。いらっしゃー・・・いませ」

・・・?ん?なんだ?この販売員・・・後ずさりしてねーか?

恋実の上半身が気持ちのけぞっている。

でも・・ま~そんなことはどうでもいい。

「リクルートスーツに合うネクタイを選んでもらえないかな?
実はネクタイとか自分で買ったことなくてよくわからないんだ」

ネクタイを選んだらその流れでスーツを選んでもらえば

そう思いながら恋実に笑顔を向けると


・・・あれ?視線外された?

と思いきや、恋実は

「少々お待ちください」といいながら既に何本かのネクタイを自分の腕にかけている。

こいつロボット?

しかもだ、さっきのおっさんには笑顔で接客していたのに

俺には無表情・・・というか

動きすらぎこちない。

スーツ売り場から見ていた人と同一人物か?と思うほどだった。

何がそうさせる・・・・

わけわかんね~~

だけどしゃべっている時以外の動きには無駄がない。
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