恋の相手は強引上司
「お待たせいたしました」

恋実はガラスのショーケースの上に5~6本のネクタイを並べた。

「リクルートスーツに合うものはこちらに並べましたような水玉・・・ドット柄やこのような
ストライプがおすすめです。お色に関しても青系や赤・・・ワインレッドのような落ち着いた
ものですね、あとは黄色やグレーもお勧めです」

「ふ~~ん・・・そうなんだ」

でも俺ははっきり言って今はネクタイの色よりも

恋実の方が気になてった。

だって・・・・

視線を完全に逸らしてて、俺の胸のあたりをみてしゃべてんだもん。

おかしいだろ?

「スーツのお色はどのような・・・」

「いや・・・・持ってないよ」

「え?!」

後ろに2歩ぐらい下がるほどの驚きっぷりに

そこまで驚くことかい!と突っ込みたくなる。

こうなると何がなんでも・・・という気持ちが沸いてくる。

「スーツの話はとりあえず置いといて~~ねえ・・ネクタイどれが似合うと思う?」

俺は並べられたネクタイを適当に2本手に取ると交互に当てながら

恋実の目をしっかりと見つめた。

目があった途端恋実の顔が茹でタコの様に真っ赤になってきた。

え?目があっただけでその反応で

よく販売員なんてやってられるな・・・・っていうか・・・・

さっきのおっさんと反応が全く違うんじゃねーの?
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