恋の相手は強引上司
そして・・・・9月

念願かなって俺は営業4部に行けることとなった。

「土屋、なんかすげ~今日笑顔だけどなんかあった?」

同期の織田が俺の向かいの席に座った。

「そうか?」

そうだけど

「彼女でもできたとか?」

織田は探るような目で俺をみながら自販機で買ったコーヒーを飲んだ。

「いや・・全然、そんなんじゃないよ。ただ・・・今まで裏方が多かったから
久しぶりの売場はどんなもんかなーって思って」

織田はあんまり興味なさそうにふ~~んっと言うだけだった。

そういえば・・・・

「な~。織田って営業4部もう行った?」

「あ~~1ヶ月まえかな?2週間くらいだけど・・・それがどうかした?」

さすがに恋実はどう?なんて聞けないから

「いや・・・どんな感じかなーと思って」

織田はコーヒーを一口飲みながらその時の事を思い出していた。

「う~~意外と若い子多いんだよね~。元々こういうとこって
男女の比率に差があるだろう?だからどこの部に行っても
割と女子から声かけられるんだよね~。中には確実に俺に
気がある子とかいたしね~・・・・そういう意味では楽しいな」

「ふ~~ん」

そんな話はどうでもよかった。

「あっ!」

「何?」

急に織田が何かを思い出したかのように大きな声をあげた。

「いや、お前営業4部に行くんだよな?」

「そうだけど・・・・」

「あの~ネクタイとかのあるとこ?あそこにさ~すげ~のがいるんだよ」

「凄いの?」

聞き返したが、俺にはそれが誰のことかすぐにわかった。恋実のことだろう・・・
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