恋の相手は強引上司

一馬編・・・・・もしかして縁がない?!

おいおい・・・・

俺って本気で神様に見放された?

それとも恋実とはこうなる運命なのか・・・・

デパートだけあって、そりゃ~~客も多けりゃ社員もたくさんいるのはわかる。

同じ場所にいながら入社して5ヶ月。

1回ぐらい、すれ違うことだってなくはないはずなのに

一度も会うことはなかった。

大体、同期の織田が何度も会っていて・・というか前まで営業4部にいたから当たり前だけど

いや!そこじゃない。

だって俺今営業4部なのに

恋実に会っていないって絶対おかしい

「連・・・・休ですか・・・・」

「そうだけど・・・うちの真壁に何か用事あった?」

なんだかこの風景前にも見たような・・・・・


大越デパートの社員はお盆や正月休みがほとんどないため

繁盛期を省く月に年に2回連休を取ることが出来る。

そして運悪く俺は恋実の連休中に営業4部での研修が始まったというわけだ。

「いや・・・同期の織田くんが、真壁さんの接客がいいって言ってたんで」

嘘ではない。

接客の良さは俺のお墨付きだから・・・

ただこの場合はそう言わざるを得ないから・・・・

すると紳士小物の前田主任は納得するかのように頷いた。

「真壁さんは入社してまだ今年で3年目かな?
派手さのない真面目な子だけど、お客様への接客はいいよ。
というより・・・押し付け感がなくしかもお客様にあった物を
さっと見つけるんだよね。女性のお客様なんかはプレゼントにって
買いに見えるんだけど、相手の好みの色や、普段使っているものを
聞いただけで何本か用意するんだよね」

知っている。

俺の時もそうだった。

的確に揃えて相手を悩ませないのは天才かもしれない。
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