恋の相手は強引上司
前田主任は褒めながらもほんの少し困ったように肩を落とした。

「ただね・・・織田くんから聞いたかも知れないんだけど、縁談を
持ち込んでくるお客さんが多くてね・・・・僕なんか・・・」

前田主任はそういうお客様に対して丁重にお断りする事が多くて

と愚痴っていたが恋実の連休は1週間で来週から出勤すると教えてくれた。

でも・・・・

恋実がいなきゃ俺としてはこの営業4部にいてもなんにも面白くない。

たかが一週間されど一週間

あ~~つまらん。

でもつまらないのには他に理由がある。


多分これが一番面倒かも・・・・

「土屋君~~今日、うちの売り場の女の子たちとカラオケに行くんだけど~~
一緒にどう?」

この手の誘いは営業4部と限らず入社してから行く部署で必ず言われた。

もちろん、男性上司となら仕事上の付き合いなので参加するが

女ばかりの飲み会の誘いがあるときは

必ずと言っていいほど断っている。

だって絶対仕事関係じゃないし・・

あんまりしつこいから「用事がある」といえば

どんな用事か聞かれる。最初は適当にかわしてきたが

ネタも切れちゃって最終手段で「彼女とデートなので」と

いないけどいるということにしていた。

だが、面倒くさい事に、先輩たちから(男女含む)

「お前の彼女を紹介しろ」とか「写真があったら見せて」と言われることが

増えるようになった。
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