君と、美味しい毎日を
「大介くん?
どうしたの、こんな時間に?」
「もしもし、瑶ちゃん? ごめんね、遅くに。今日さー、久我原と飲んできたよ」
「え〜、また飲み過ぎたんでしょ?」
「だってさー、あいつ飲まなきゃ聞いてらんないくらい、のろけるんだもん。
ムカつくからさー、プロポーズなんてまだ早いって断ってやったらどう?」
携帯の向こうから瑶ちゃんの明るい笑い声が響く。
「な〜んてね。 絶対無いよな、それは。
・・・婚約おめでとう、瑶ちゃん」
「ありがとう、大介くん。
自分がね、誰かと家族を作っていくってことを考えたら、その相手は昴しかいなかった。 昴しかあり得ないの。
思い返してみると、私はずっと昴の家族になりたかったの」
今、瑶ちゃんも久我原と同じくらい幸せな顔をしてるんだろうな。
俺はさ、最初から知ってたよ。
あの日、再会した二人を見た時からね。
あぁ、この二人は全く同じ気持ちを抱えてるんだろうなって。
今日は月の綺麗な夜で、
親友二人から幸せな報告があって、
俺もすっごく幸せな気分だから、
帰ったらまた飲んじゃおうかな。
二人のこれからを祝って、やっぱりビールかな!!