ワケありオオカミさんたちと強気赤ずきんちゃん
多分、さっきの人の財布だ。
廊下を見ると、まだ姿が見えていたから慌てて追いかけた。
「あの…!」
私の声に気づき振り返ると、またあからさま嫌な顔をした。
「この財布、あなたのですよね?」
財布を見ると、バッと慌てて取った。
また嫌そうな顔している…
てか、財布拾ってあげたのにその顔はないでしょ。
「近…るな…」
「はい?」
「これ以上俺に近寄るな」
ギロッと睨んだ後、そのまま歩き出した。
いきなりそんなことを言われたから、茫然とその人の後ろ姿を見ていた。
私は何故初対面の人にここまで言われないといけないのだろう。
桐山先輩やあの人に……