ワケありオオカミさんたちと強気赤ずきんちゃん


「それでその後、自販機でお茶買ってここに来たというわけね」


「はい」



初めて先輩と会った図書室の奥の端に、先輩と向かい合って座っている。


先輩と会うときはいつもここで話している。



さっき自動販売機で買ったお茶を一口飲んで、ため息をついた。


そして、先輩をギロッと睨み



「先輩、そこまで笑わなくてもよくないですか?」



ツボに入ったのか、ケラケラ笑っている先輩。


いつもは声に出して笑わないから新鮮だ。



「お前本当に嫌われてるな」


「いや、むしろ先輩とその人だけですよ」



私にあんな態度を取った人は。



「へぇー、意外。他の奴らももうそろそろお前のこと嫌うと思っていたのに」



毒舌野郎は今日も健在です。





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