ワケありオオカミさんたちと強気赤ずきんちゃん
苦笑いしている桐山先輩に、確かにと言いながら頷いている新。
「私の誕生日パーティなのになんで貶されないといけないのよ!」
「ケーキ食べようぜ」
私の怒りを物の見事にスルーした翔太郎。
あの、翔太郎を本気でぶん殴りたいんですけど。
「柚子抑えろ…。後で俺から言っとくから」
私から殺気が出ていたのか、焦りながら私を宥めている桐山先輩。
今日は桐山先輩に免じて許す。
「はい、柚子の分」
「あ、ありがとう……」
ケーキを取り分けてくれて渡してくれた翔太郎。
複雑な気分になりながらも、一口食べた。
「美味しい!新、すごく美味しいよ!」
「よかった」