ワケありオオカミさんたちと強気赤ずきんちゃん


桐山先輩は柚子、新は柚子ちゃんって呼んでいるのに、西岡先輩は赤木と私の下の名前で呼ばれたことがない。


首を軽く傾げながら西岡先輩を見ていた。


すると、さっきまで目が合っていたのにフイと逸らされた。



あれ?

先輩の耳真っ赤だ。


もしかして、照れてるのかな?



……あ、いいこと思いついちゃった!



「先輩は私のこと嫌いだから、名前で呼んでくれないんですね……」



シュンと子犬のように落ち込んでいると



「……1回しか言わねーからな」


「へっ?」


「柚子」



私の目を見て言うから、こっちが恥ずかしくなってきて顔が熱くなった。


それにドキドキが止まらない……


先輩のバカー!!



すると、私に近づいてきて



「俺も言ったんだから、お前も言えよ」




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