君のそばで会おう ~We dreamed it~
つまらない嫉妬
元カレ
想太は、人事課長に可南子の異動について相談をしてみた。
1年経った今では事情も変わってきているし、有能な人材を手放すことに抵抗があると。
しかし、人事課長はいい顔はしなかった。
「柿谷部長の言うこともよく分かりますが、中々、決まったことは変わらないんですよ。
最終決定までまだ時間がありますし、もう一度よく話し合って下さい。
よろしくお願いします」
想太は気が遠くなった。
だけど、可南子を長崎に行かせるわけにはいかない。
想太は山本と昼休みを利用して近くのそば屋に行った。
そば好きの山本のおすすめなだけあって、久しぶりに美味しいそばを堪能できた。
そして、会社が入っているビルに帰ってくると、正面玄関の横にあるカフェの前に美咲が立っているのが見えた。
想太は気づかれないように後ろから近づき、美咲に声をかけた。
「部長、どこか食事に行かれてたんですか?」
美咲はカフェの前に立ちはだかり、必死に何かを隠しながらそう聞いてきた。