君のそばで会おう ~We dreamed it~
可南子がコーヒーを持ってオフィスに帰ってくると、美咲があたふたして可南子のもとへ来た。
「可南子さん、今、エレベーターで部長に会いませんでした?」
「いや、会ってないと思うけど」
「よかった・・・
実は、カフェで可南子さんと瀬戸さんが話しているところに、部長がやってきたんです。
途中で部長がカフェに可南子さんがいることに気付いて、もう大変でした・・・」
可南子は、久しぶりに瀬戸と話をした。
別れてからはお互い会わないようにしていたし、同じ会社ではあったがフロアも離れていたし、一年の間でほんの数回しか顔を合わせることがなかった。
瀬戸は可南子の異動の話をどこかから聞きつけ、心配して可南子に話しかけてきたようだった。
可南子も素直に瀬戸と話せた。
お互い、もう、前を向いて歩いている・・・